実は初めての報告会。
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2018年8月。
今年の夏は、お盆に入るまではなんとか天気が安定していたものの、それ以降は台風や前線の影響を受けて天候不順が続き、9月に入ってもイマイチな天気が続く日々。10月に入っても台風の被害など、まだ記憶に新しいと思います。
そんな今年の夏、悪天候をものともせず、日本海から太平洋を、3つのアルプスを駆け抜ける30人のレースが繰り広げられていました。 

トランス・ジャパン・アルプス・レース
(Trans Japan Alps Race:TJAR)

日本海は富山県 魚津から太平洋 静岡県大浜海岸まで。
総距離415
累計標高差 27,000m
8日間 192時間をかけて日本を縦断する日本でも屈指の過酷なレースです。

自分がその存在を知ったのは結構遅くて、2012年だったかと思います。
まだ雑誌でその存在を知る程度で、正直
「日本海から太平洋まで、山を抜けていくなんてキチ●イのやること」
みたいな感覚で、まともに見てもいませんでした。

考えが変わったのは2016年大会のドキュメンタリーを観てから。
あまりにリアルなそのレースの姿に、その辺でやっているトレランレースとは一線を画した、正にこれこそ山岳レースの真骨頂といった衝撃を受けたものです。

そのレースがこの夏、行われました。
TwitterやGPSトラッキングで選手の動きをトレースし、その動きに一喜一憂しながら感じたレースは、まるで参加選手30名のドラマを間近に、目の前で見ているかのような臨場感と衝撃と、そして大きな感動がありました。
そんなこともあり、今回の報告会に参加することにしたのです。
ぜひ、あのレースの裏舞台やその詳細を知りたい。

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会場である立正大学へは、受付開始より15分ほど前に到着。報告会の開始にはまだ45分くらいあるものの、すでに受付には行列、席にも多くの方が着席していました。
会場の壁には、レース中の写真がルートマップと共に張り出されています。
(この写真、たびたび落ちたりして着け直してましたw)

そして。14時。
感動的なレースシーンやアルプスの幻想的な風景を交えたプロモーションムービーから報告会がスタート。あまりの美しさに思わず写真も撮り忘れるほど。


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優勝者の垣内(かいとう)選手のスピーチから始まり
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初出場組のスピーチ。
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高田選手のオリジナル防寒システム!これ試着してみたかったーー!
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装備へのこだわりなどについて。
レース終盤、畑薙へ降りた際に足がむくみ過ぎてシューズを履けなくなり、アッパーの両サイドをバッサリとカットするという大胆な(?)対策を披露してくれた片野選手。
足裏のケアを失敗した、と報告書にあったけど、何が失敗だったのか、質問タイムで聞きたかった。
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みんな大好き防寒テムレス。(福山選手)
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大会中のケアやお風呂などについてのスピーチ。
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男澤選手はやっぱ面白かったw仙台からアルプス通うってすごいよな・・・。
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50代組。今回残念ながらDNFとなった岩崎選手。
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一番のファンだったりする竹内選手。2016年大会のあの最後の涙が忘れられない。
無理してほしくはないけど、2020年大会も期待してしまう。

今回参加の選手。残念ながら望月選手は関西の講演会と重なってしまったらしく不参加でしたが、それ以外の29名がずらり。
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実行委員会 委員長の飯島氏。
氏のスピーチで印象的だったのが
「回を追うごとに参加者は増えているが、レベルは低下している面もある」
という話でした。
TJARはそのレースの過酷さから、かなりハードルの高い選考基準が設けられています。
それでもしっかりと選考基準を満たしてくる人がちゃんといるわけですが、単純に選考基準を満たしていればよい、という事ではなくて、それを裏付ける経験やスキル、判断力などがしっかりと身についていないと意味をなさない訳です。
一時の人気で「自分も出てみよう」という甘い気持ちでは、選考会で容赦なく落とされているそうです。
また、そうした人の中には、残念ながら山で命を落とす人も少なくないそうです。
飯島氏は、SNSで通じた、TJARを目指している人の息子さんから、
「父は山でなくなりました」
との報告を受けたことがあるそうで、その方に限らず、このレースを目指す人が命を落とす、落とした、という報告を受けるたびにとても辛い気持ちになる、と話していました。
感動的で、過酷だからこその達成感のあるレース、とてもやりがいのあるレースだと思うし、見ている側も楽しめる。
でも、一方でそういった悲しい現実があることも、TJARを知る人、もちろん山をやる人は知っておくべきだと思います。

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大会運営の皆様。
本当にお疲れ様でした!


自分はTJARを目指しているわけでは無い(少なくとも「今は」ね)ですが、そのコンセプトには非常に共感できるものがあります。
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限られた時間の中で、以下に早く、如何に安全に山行を完遂するか。

2015年に第一子となる娘が産まれ、今年は第二子にも恵まれました。
一方で山にかけられる時間は減少する一方で、たまに取れるとしてもせいぜい一泊二日。
それ自体は仕方のない事だと思いますが、じゃあ、その限られた時間でどう山を楽しむか、と考えると、必然的にトレランやスピードハイクの要素が大きくなってきます。
ただ、いたずらに装備を軽くすれば良いわけではなく、きちんと下山して帰ってくる事が大前提。
そのためのスキルやノウハウは、TJARの理念にも通ずるものがあるのでは、と思いました。

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今回のこの報告書には、そういった情報が、本当に生のレポートとして掲載されています。
これほどありがたいものはありません!
正直、2000円でも安すぎるくらいの情報量があります。
何より、選手や運営の熱い想いが込められています。

これからしっかりと熟読して、自分の山行にも何か生かせるものを見つけていきたいと思ってます。

最後に、報告会に参加して感じたのは、本当に皆さん温かい人達だなーと。
415辧8日間に及ぶレースを、基本的には一人で歩くわけです。
道中の孤独は非常につらいものがあると思いますが、どの選手も書いていたのが
「応援の言葉が一番ありがたかった」
という事。やはり、人と接することのありがたみを感じるからこその、他者への温かみがにじみ出てるんでしょうね。
個人的には、レースに出るでないは置いといて、2020年の開催時は、どこかのルート上で選手の応援に行ってみたいかも、とか思いました。

TJARが、これからも皆さんに愛される大会でありますように!