DSCN8385_R
平成31(2019)年3月31日を持って、閉鎖が正式にアナウンスされました。


昨年末より一部ではまことしやかに噂されていた「奥多摩小屋の閉鎖」が、先日3月20日に正式にアナウンスされました。

>>奥多摩小屋(雲取山)閉鎖のお知らせ
PDF

なんとも衝撃的なインパクトのあるPDFを持って、奥多摩町のホームページでリリースされた情報は瞬く間に山クラスタを駆け巡り、特に関東圏のハイカーにとっては、2018年上期でもとても大きな話題となっています。
自分としても当初Twitterで情報を知り、てっきり今月末に閉鎖かと勘違いするほど動揺していたのですが、閉鎖自体は平成31年(2019年)3月末という事で、あと1年間は取りあえず利用することが出来るようです。
ただし、奥多摩町のリリースにもある通り、4月以降は管理人が常駐しなくなり、事実上解体への作業が推し進められることになるでしょう。
長らく奥多摩小屋を関東屈指のテント場として愛用してきた1ハイカーとしても、非常に残念でなりません。1ハイカーの想いとしては、やはりこの残された1年という時間で、何かしらの形を変えたとしてもテント場として存続してほしいと思ってしまいます。

一方で、行政の関わる案件とあってただの想いだけではどうにもならない、という事も重々理解しています。
昨年この情報が流れ始めてからも、様々な方面から存続を求める活動がされているようです。

「奥多摩小屋 存続させて」 登山愛好家が署名活動「安全確保に」(東京新聞)
秩父多摩甲斐国立公園内「奥多摩小屋」の存続等について(東京都山岳連盟)

こういった署名活動や要望書の提出について、無意味であるとは言いませんが、おそらく具体的な解決案を模索している中で、一番のネックとなる費用面が解決しなければ、1年後に小屋が解体され、その先は無いような気がしています。
そう、現実的にはやはりお金、という事になるのではないでしょうか。

ちなみに、今回の奥多摩小屋の解体に当たって、仮に小屋を再建する場合のコストについて、奥多摩町議会では「数億円」の費用が掛かる、と見込んでいます。
主な内訳としては

・解体後の木材の搬出
・小屋の再建に必要な資材の運搬
・再建費用
・バイオトイレの設置

という事らしいです。
また、その場合の小屋の使用料としても数百万が年間かかるとのこと。

仮にですが、この小屋の再建費を「2億円」、そして小屋の年間使用料を「500万円」と見積もって考えてみます。実際にはここに人件費や光熱費、運搬費、メンテナンスなど諸々の諸経費がかかり、年間での運営費は想定でも2,000万程度を見込む必要がありそうです。
※自分は山小屋経験があるわけではないので、正確な数字ではないと思いますが。。

前述の東京新聞の記事では、2016年の小屋泊利用者は263人、テント泊は3373人だったそうです。
小屋泊は4000円、テント泊は1人500円。これをもとに単純計算してみると

 小屋泊費合計・・・1,052.000円
 テント泊費合計・・・1,686,500円
 合計・・・・・・・2,738,500円

年間運営費を2000万と見積もった場合、完全なる赤字状態となってしまいます。
どころか、運営すればするほど行政の財政を圧迫していきます。こうなると確かに建て替えるメリットが全く見えない訳です。

ちなみに、、昨年この話題が出たとき、Twitterで「奥多摩小屋のテント泊費、いくらまでなら出せる?」というアンケートを取ってみました。
(その際は、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました!)
その結果がこちら。


1000円程度であれば妥当、との結果が。最もこの時は、奥多摩小屋閉鎖の話題が出た直後であり、存続への希望的投票もあった事も否めないのですが、仮に1000円を徴収したとしても前述の赤字は免れません。また、実際問題手前の七ツ石小屋・先の雲取山荘が500円の幕営料という点を見ると、奥多摩小屋のみ1,000円というアンバランスな感じもプラスとは言えないかもしれませんね。


実際に奥多摩小屋を再建する場合、あくまで個人的に思うのは以下のポイントな気がします。

・営業形態。小屋泊をなくしてテント場のみ。管理人を特定期間のみの在住とし、期間外は避難小屋扱いとする。
・トイレ。バイオトイレは冬季に使用できない、また故障などで使えなくなることがあり、コストもかかるので鷹ノ巣避難小屋のような形式に作り替える。
・小屋は現在のような大きなものではなく、霧藻ヶ峰休憩所のような小規模の小屋にする。
・水場。管理人滞在時のみ管理。他は七ツ石等の水場を利用。

イメージとしては東北・飯豊連峰の山小屋のような運営形態ですかね。ただ個人だと難しい面もあるので、そのあたりは町営にするのか、何らかの団体管理が良いのでは。
要するに、以下にコストをかけず構築し、かつ運用コストも下げるか。

あと、これは本当個人的な意見ですけど、山小屋運営ってそれこそ何十年と続くわけで、そういった意味でも立て直しだけでは済まない、継続的な運営が必要なことから、クラウドファウンディング等はあまり向いていない気がします。

それから、これも以前書いたのですが、奥多摩小屋の管理が甘い部分を狙ってか、混雑時には幕営料を支払わないハイカーも多いという話を聞きました。こういったハイカーのモラルの破綻が、今回の結果を招いた、とも言えなくありません。勿論それだけが原因ではないと思いますが、それでも仮に来年以降、何らかの形で小屋の再建が決まったとしても、ハイカーの意識が変わらなければ、遅かれ早かれ同じような末路を辿る事になるかもしれません。
奥多摩小屋の閉鎖問題は、ハイカーにもある種の警鐘を鳴らしているとも言えます。

・・・と、久しぶりにかなりの長文を書いてしまいましたが、奥多摩小屋が来年も、再来年もずっと続いてくれることを願っている事に変わりはありません。
何か力になれる事があると良いのですが、まずは来年以降の動きについても、引き続き見守る必要がありそうです。

★奥多摩小屋関連の情報は、こちらのblogが詳しいです★

friday’s beer
 
DSC_1804_R
いつの間にかいなくなっていた木彫りのネコ

DSC02971_R
爆風のテント泊や

DSC05983_R
DSC06014_R
ストックを忘れて無理やりガイラインで吊るしたMETA1Pで過ごした夜。

DSCN3990_R
奥多摩小屋近くの五十人平から見える富士山

DSCN1033_R
DSCN6589hh_R
奥多摩小屋の夜空は本当に素晴らしい

DSCN6524_R
DSCN6525_R
DSCN8387_R

願わくば、子供たちと一緒に泊まりに行けますように・・・。