旅が一つ終わり、また新しい旅へ。
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2017裏銀座ハイク、2日目後編です。

三俣山荘を後にして、まずは三俣蓮華岳と双六方面への巻き道分岐を目指してガレた登山道を登っていきます。
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2日目も朝から物凄い快晴。歩き始めは少し寒くてウィンドシェルを着込んでいましたが、10分も歩いたらもう汗が・・。

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振り返れば、つい先ほど登頂したばかりの鷲羽岳が鎮座しています。

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ハイマツ帯を抜けると、この山行で初めて鷲羽岳のその全貌を見る事が出来ました。
少し秋の雰囲気へと変わりつつある青空に向かい、威風堂々とその両翼を広げる姿。数ある山の中でもここまで尊敬と親しみを感じる山は、本当に今までなかったかも知れません。

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左手にはたおやかな稜線の向こうに荒々しい穂高連峰、槍ヶ岳、そして表銀座のシルエット。
2日目もこんな抜群の展望の中歩くことが出来るなんて。正直この山行があまりにも出来過ぎていて、何か起きてしまうんじゃないかと怖くなるくらいでした。

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三俣山荘から30分ほどで、分岐点である三俣峠に到着。

さて。

ここで大いに悩みました。
天候も良く風も無し。視界も良好で条件としては申し分ないくらいの山日和。
この条件なら下山ルートとして本来選択すべきは「三俣蓮華岳→丸山→双六岳→双六小屋」の大展望ルートでしょう。今日ならきっと、あの双六台地からの槍ヶ岳も恥ずかしくなるくらい丸見えでばっちりなはず。
現に山荘を出発したそのほとんどのハイカーが三俣蓮華岳へと登っていくのが見えました。

ただ。
先ほど書いた通り、この時自分はとても臆病になっていました。
憧れの山に来て念願の登頂を果たし、しかも快晴360度の大展望の中ご来光のおまけつき。
そして下山ルートに入ってなお続くその絶景。
もしこれが、新穂高温泉まで車ではなく、バスなどで来ていたら双六岳稜線ルートを採ったかも知れません。しかし、ソロで来ている自分には「怪我無く無事に下山」の後に、さらに300km弱を運転し無事故で帰宅しなければならない、という最大のミッションが待ち構えています。
3年前に小池新道を下った時も相当に疲れたし、後々渋滞に巻き込まれることは必至。
となると多少でも時間に余裕を持って安全に帰れるようにしなければなりません。

欲を出して稜線ルートに行ったら、何か後悔してしまうような気がする。

そんな直感を信じ、今回は巻き道を選択することにしました。
何もかもやりつくしてしまうより、腹8分目にしておいた方が次の楽しみもあるし。
いずれ雲ノ平の帰りにでも稜線ルートは立ち寄らせてもらおうかな。

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という事で、槍ヶ岳を目印に、巻き道ルートを歩き始めます。

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道端にはここにもチングルマ。もう山には秋の風が吹き始めていました。

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巻き道ルート、事前に調べた情報ではあまり評判の良いルートではありませんでした。
アップダウンが多く全然楽じゃない・・とか。
ただ、今回歩いて見て分かったのは、おそらくですが「双六→三俣蓮華方面」を巻き道で歩くと、基本登り基調なので結構疲れるかもしれません。ただ、「三俣蓮華→双六」で歩いた今回、正直そこまでキツありませんでした。むしろ上の写真のような絶景が終始みられるので、個人的にはご機嫌ハイクでした。

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紅葉のはじまったバイケイソウの向こうには大天井岳へ続く表銀座の稜線。あっちも天気のいい時に歩いてみたいんだけどね〜。

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時折振り返ると、鷲羽岳の山頂がちょんと覗いて、まるで見守られているような気分。
どうしても鷲羽岳が見えると、顔がにやけてしまいますw

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巻き道ルートは基本歩きやすいシングルトラックです。が、一か所だけ上のような崩壊地がありました。これは双六側から三俣側を見た写真。右側は結構切れ落ちているので、ここは通過要注意です。

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崩壊地からガレ場を登ってきて振り返ったところ。
丸山の穏やかな稜線とハイマツ帯の風景が、ああ、北アルプスっぽいなあ〜としみじみ感じます。

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前方に槍ヶ岳、後方には鷲羽岳の絶景ルートに終始ニヤけながら歩き、気づいたら双六稜線・中道への分岐についていました。時間は8時44分。三俣山荘からは1時間22分、なかなか順調です。
前方にある西鎌尾根の取りつきの樅沢岳の上から、槍の穂先がチョンと覗いています。

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分岐から下ること5分ちょい、双六小屋に到着。
予定より早く着いたので、ここで少し休憩をとる事にします。

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双六まで来てもまだまだ、鷲羽岳はしっかりと姿を見せてくれていました。

ここで休憩していると、2名のトレランナーが上がってきました。
見てみると1名はなんとワラーチ!すご・・・!思わず話しかけてみると、この後西鎌を進み槍ヶ岳に登頂、そのあと上高地に降りるそうで。この快晴だからさぞかし気持ちいいだろうけど、ワラーチで行くとか驚き!
さらに1名ランナーが来て話してみると、今度は三俣まで行って戻ってきて、そこから西鎌経由で槍ヶ岳、さらに戻ってきて新穂高に降りるとか!もうワケがわかりませんww取りあえず気を付けてくださいね〜とは声を掛けましたが、なんだろう、何かのトレーニングだったんだろうか・・。

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ちょっとのんびりし過ぎましたが、9時9分、双六小屋を出発。

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双六谷の向こうには弓折岳の稜線、そしてピラミダルな笠ヶ岳の姿。

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ハイマツ帯を歩きながら振り返ると、双六小屋越しに大きな鷲羽岳の姿。

3年前、初めてここを歩いて、鷲羽岳の姿をこの目で見たとき、文字通り飛び跳ねて喜んだっけ。
やっとあの時「また来る」と約束して、今回やっとその約束を果たせたわけで。
だから今回も、今度は本当にいつ来られるか分からないけど、もう一度約束しておこうと思います。

「いつかまた、きっと会いに来るよ!」

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歩くたびに小さくなっていくその姿とは反対に、次はいつ来られるだろう、という想いが大きくなっていく。

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やがて、ハイマツの稜線の向こうにその姿が見えなくなったとき、気持ちはこの山行を最後まで成功で終わらせるべく、無事下山・無事帰宅へを切り替わりました。

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左俣谷からは、3年前と同じように徐々にガスが登ってきていました。槍ヶ岳の姿が見られるのもあとわずかでしょう。

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雲海の上に広がる雪田を進み・・

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9時50分、弓折乗越に到着。もうすっかり谷がガスに飲み込まれていました。

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鏡平へのトラバースもガスで覆われて、少しひんやりするくらい。
ここは日差しが無い方が登りも下りも楽ですね。

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10時8分、鏡平山荘に到着。
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今回もオランジーナで休憩w
この日は日曜だったけど、まだまだ登ってくる人がかなり多かった印象。同じベンチに座った初老の方は、退職後に好きな登山を気ままに楽しんでいるそうで。平日を絡めてのんびり三俣まで向かうとのこと。何ともうらやましいアフターライフですね。

鏡平山荘を10時26分に出発、ここからは一気に標高を下げていきます!

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10時44分、シシウドヶ原を通過。

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11時1分、チボ岩通過。

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11時8分秩父沢到着。
ここで小休止。

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更に下る下る・・と、小池新道入口の橋が見えてきました!

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11時35分、小池新道入口に到着!
なんとかここまで無事に降りられた・・・めっちゃ疲れたけど!

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双六方面を見ると、もうすっかり雲の向こう。
この景色もそろそろ見納め。さて、ここからはまた長いながーい林道歩き。

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この林道歩きが一番怖いんです。
何故って、疲労が溜まりに溜まってしかも油断して歩きますでしょ。
するとね・・何でもないところで・・・

「グネっ!!」

てやるんですよ左足ぃぃぃ!
しかも2回やりましたよもう・・・

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そんなわけで小池新道よりも慎重にあるきつつ、11時47分わさび平小屋を通過。

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11時55分、笠新道入口を通過。
ちょうど2名のハイカーが下山してきたタイミングでした。笠新道ピストンしてきたらしい(泊まりで)。曰く、「悪魔の道」だそうで・・w

ただただひたすら長い林道歩き。
今回の山行の思い出に浸りつつ・・なんて事も全くなくて、まだか、まだ着かないか・・!とうんざりしながら、時折林道に対して悪態をつきつつ歩きます。なんだか本当集中力切れちゃってて危なかったですね。

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それでも12時28分、やっと新穂高ロープウェイの乗り場が見えてきました!
もうゴールはすぐそこ!

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12時31分新穂高センターに到着!
小池新道入口から1時間かかった・・。

この後、ヘロヘロになりながら下山届を提出。
これで山行としては無事、成功と言えるでしょう。
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このブログを書いているのはもう2週間も経った頃ですが、未だにこの時の山行の景色や感動は忘れられません。
久しぶりの北アルプスで少々不安な面も無かったと言えばウソになりますが結果として終わってみれば予想以上に大成功なハイキングでした。天候予測もばっちり、装備面も1部を除いて問題なし。怪我もなくこの後は中央道の渋滞に巻き込まれ結果として下道で回避しつつ無事帰宅しました。

反省点は2点。

1)食が貧相過ぎた。軽量化のためとはいえ3食カレーメシ+マッシュポテトは少々味気なさすぎ。しかも初日の晩御飯の際、気圧の変化でカレーメシを入れていた袋が破裂している事に気づかずお湯を注いでしまい、カレー汁が流出するという大失態付き。今後はちゃんとクッカーに入れて作ろう・・。
後はメニューもせめてラーメンを入れるとか小屋メシを使うとかもう少し考えれば良かった。

2)枕問題勃発。前から気にはなっていたけどNEMOのTENSOR20sとモンベルのエアピローは相性があまり良くない気がする。これは追って再考すべし。

それ以外はウェアリングもギアも問題は無かったかな。
体力面については、もし次に雲ノ平目指すなら1時間早く出れば行けそう。
その時は黒部五郎やワリモ〜水晶も混ぜてあの辺りを周遊してみたい。そんな時間取れないけどw

そして、またいつか必ず行くぞ!
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それまで、しばしのお別れ!ワシバダケっ!

※装備面などは後日時間が出来たらまとめておこうと思います。


◆登山データ
<9月2日>
新穂高温泉発(5:20)→笠新道(6:03)→わさび平小屋(6:11)→小池新道入口(6:33)→秩父沢(7:01)→チボ岩(7:12)→シシウドヶ原(7:45)→休憩→シシウドヶ原発(8:04)→熊の踊り場(8:21)→鏡平山荘(8:35)→休憩→鏡平山荘発(8:59)→弓折乗越(10:02)→双六小屋(10:52)→休憩→双六小屋発(11:43)→中道分岐(12:03)→中道稜線分岐(12:35)→三俣蓮華岳(13:15)→三俣山荘(13:43)→泊

<9月3日>
3:30起床→三俣山荘発(4:29)→鷲羽岳山頂(5:19)→鷲羽岳発(5:28)→三俣山荘着(6:00)→撤収→三俣山荘発(7:20)→三俣峠(7:50)→巻き道→双六小屋・稜線ルート分岐(8:44)→双六小屋(8:51)→休憩→双六小屋発(9:09)→弓折乗越(9:50)→鏡平山荘(10:08)→休憩→鏡平山荘発(10:26)→シシウドヶ原(10:44)→チボ岩(11:01)→秩父沢(11:08)→小池新道入口(11:35)→わさび平小屋(11:47)→笠新道入口(11:55)→新穂高温泉(12:38)