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冬から春、そして桜の散る季節へ。
久しぶりのハイキングへ行ってきました。 
今年は結局雪山で寝ることもなく気づけば雪解け、そして春。
さらにはもう関東の平野部では桜も散り新緑の季節へと移り変わってきました。もう間もなく訪れるゴールデンウィークを過ぎれば世間では登山シーズン入り。そうなる前に何とかして一度山で寝ておきたい・・という事で、今回は以前から行こうと思っていた丹沢の檜岳山稜〜ユーシン、そして鍋割を回るラウンドハイクを計画。
したのですが。

結果から言うと、途中で撤退。
詳細は後ほど、という事で、久しぶりの山寝はお預けとなってしまった訳ですが、ハイク自体はとても楽しめましたよ、前半までは・・・。

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諸々の事情でスタートはかなり遅め。
寄の自然教養村管理センター前に車を停めて、11時過ぎに出発。
そう言えば2年前のほぼ同じ時期に来た時はまだ桜は満開のころでした。今年はやっぱり季節が早いらしく、駐車場にある桜は所々で葉桜になりつつありました。

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 準備運動を軽く済ませて駐車場を出発。
前方に見えているのがまずは目指すシダンゴ山です。
大寺橋を渡り、道なりに進み暫くはお茶畑の農道を登っていきます。この農道がまた実に急で、久しぶりの幕営装備を背負った体にはいきなりのハードモードw

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農道の途中にはトイレと休憩用のベンチが置かれています。
山域的・ルート的にも初級者向けのこのシダンゴ山、こういった設備が途中にあるのは安心でしょうね。
恐らく付近の農家の方も使用されているのでしょう、トイレは汲み取り式ですがとてもきれい。
手洗いの水もちゃんど出ました。

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農道をひたすら登ります。
徐々に反対の櫟山〜栗ノ木洞の姿も見えてきました。
冬枯れで茶色かった山肌には薄い緑が増えて、季節が変わったことを身をもって実感。

それにしても・・・重たい!
今回ルート上には水場が無いため、2.5L+500+500、さらに1Lと計4.5Lの水を背負ってます。
スタートがなにせお昼前と遅かったため、もし目的地のユーシンに辿り着かなければ途中でビバークの予定。さらにこの日は気温が高めなので水分の消費が多いだろうと、1Lは保険で追加したわけです。
パッキングウェイトが食料込で6.8kgくらいだったので、これでも11.3kg。水の確保できるルートなら10kgは切れたのに・・・。

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農道を15分くらい登っていくとイノシシ避けのトタンの扉があります。
扉のフックを外して通過。

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やっと登山道らしいルートに入りました。
快晴過ぎる天気で、この日陰のひんやりした空気がありがたい・・・。

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あまり山の花には詳しくない自分でも知っている数少ない花の一つ、ミツマタが咲いていました。

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久しぶりに踏みしめる登山道の感触はとても気持ちいい。
雪の感触はあまり味わえなかったけども、またこういった土の感触も良いもんですねぇ。

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杉林の登山道の前方が開けてきたら、その先がシダンゴ山山頂。
平日の昼間という事でお昼前でもハイカーはゼロ。
それにしても、低山とは言えほぼ360度展望が見渡せるし、なんといっても山頂には桜も!

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山頂には祠と山名の由来が書いてありました。
へえ、仙人の名前が由来とな・・・それにしてもシダゴンとは、どこぞのUMAみたいな名前ですなあ・・・。

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桜は散り初め、とは言えまだもう少しは楽しめそう。
この週末は丹沢の山開きでもあったので、土日のハイカーも楽しめたんじゃないでしょうか。
ちなみに、山頂にはアセビも大量に群生していたのですが、所々根元が掘り返されている場所がありました。
これ、おそらくイノシシでしょうね。農道の終点にイノシシ避けの柵があったのもうなずけます。
山で会って怖いのはクマ、イノシシ、サルに野犬。
どれも嫌だけどイノシシは本当怖い・・。天子山地スルーハイクの時のトラウマがよみがえります。

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北側にはこれから目指す檜岳山稜の稜線。中央の尖ったピークが伊勢沢ノ頭。その右手のなだらかなピークが檜岳(ヒノキダッカ)です。
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山頂でだいぶゆっくりしましたが、12時18分、シダンゴ山を出発。
一旦林道秦野峠まで降ります。

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かなーり急な階段を下りて・・・

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虫沢林道に合流。ここから対面にあるハシゴを登っていくとダルマの頭を経由して林道秦野峠、右手に行けば林道を歩いて林道秦野峠へと至ります。
今回は時間もやや巻き気味なので右手の林道を選択。

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25分ほど歩いて林道秦野峠に到着。ここで小休止で行動食を摂取。
一旦秦野峠まで上がってそこから伊勢沢ノ頭までは標高差約300mを一気に登ります。
そこまで行けばあとは比較的フラットな稜線歩き。
気合を入れ直して、いざ出発!

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看板裏にあるトレースから再び登山道に入ります。

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暫くは急な木の階段を登り、その後は鹿柵に挟まれた狭い登山道を歩きます。人がまだ今日は入っていないらしくクモの巣がアチコチに。。。最初は避けてましたが、あまりに多くて途中から無視して突き破ってました。

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鹿柵地帯を抜けると痩せ尾根に出ます。ややザレていて両側結構キレているのでちょっと慎重に。

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この辺りにもヤマザクラが咲いています。ちょっと一息。。

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下りの階段に差し掛かったところに道標があり、この道標の上側の矢印の方に、「日陰山こちら→」という文字がマジックで書かれていました。奥の尾根をのぞき込んでみると確かにトレースがあり、地図上でも玄倉に抜けるルートとして書かれていました。ただし破線扱いのようですが・・。
なるほど、こっちから玄倉林道に出てユーシンに行くことも、まあできなくはないんだなあ〜

などと考えている時でした。
左手の谷?山腹辺りから「パキッバキバキ・・・ッ」と、木を踏むような、いや、明らかに何らかの生物が木を踏んで歩いているような音。

緊張が走ります。
姿は見えず音だけは徐々に尾根筋に向かって上がっているようで、なんだろう、鹿・・?そう言えば以前大山の縦走路でイノシシが横切ったことがあったけどイノシシだったらイヤだなあ。。と思ってじっと音のする方向を見つめていると・・・

「ガササササッ!」
と一際大きな音がしたと思った瞬間、黒い生き物が尾根筋を横切り、そのまま右手の山腹方向へと消えていきました。
一瞬でしたが、あ、ついに、丹沢でも会ってしまった。
間違いなく。
熊・・・!
距離にして100m弱、おそらく成獣。

しかもこれから向かう方向に走り去るとか・・・!
まじか!!

一歩右足を後ろに下げたまましばらくフリーズしてました。
そして、次の瞬間考えたのはこの山行、どうする・・?!
時間は13時半前。ここから1時間ほどで伊勢沢ノ頭へ上がり、そこから雨山峠→ユーシンに着くまではまだ2時間程度はかかる。山に囲まれたところだから登山道が暗くなる時間はおそらく早く、その意味から檜岳手前くらでビバーク適地を探そうかと思っていたところです。
しかし、熊を目撃したことでかなりパニックになり、同時にココロがぽっきり。
こういったときに同行者がいない単独行はリスクをどうとるかで悩むところですが、自分は「迷ったら安全優先」。
しばし迷ったあとは、下山を決意してきた道を引き返しました。

林道秦野峠まで降りてきた時点で家族にLINEを入れて、熊を目撃したため下山する旨を連絡。
幸い林道秦野峠までは比較的整備されていて、起点の寄大橋までは歩いて1時間ちょっと。その間歩いているうちに少しづつ冷静さを取り戻していくと、せめて写真くらい撮りたかったなあ、とか、でもあの一瞬では自分のコンデジでは多分間に合わなかったなあ、とか・・。
それにしても、おそらくこちらの存在に気づかずに去ってくれたのはラッキーだったのかもしれない。

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林道を急ぎ足で歩きながら、向かいに見える山肌は下から薄い黄緑の新緑が上がってきているようです。

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見上げれば林道の上にも。
ああ、春になったんだなあと。出来れば稜線でもこの新緑を見たかったなあ。。。

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14時27分、寄大橋に到着。
ここまで来てやっと一安心。。。
ハイカーに会ったら熊のことを伝えておこうと思ったけど、結局ここまで誰にも会いませんでした。
(途中自転車の人が1人登ってきたけど速くて声かけられなかった・・・)


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寄大橋から駐車場に戻るまでは一般道歩き。
せっかくだし、途中にあるキャンプ場でテント泊だけでもしていこうかと思ったのですが、3件あったキャンプ場はいずれもシーズン前、または休業中でどこも泊まれる状況ではありませんでした。
仕方ないので、そのまま車に戻り帰宅となったわけです。


今シーズン初のテント泊は残念ながら実現できませんでしたが、シダンゴ山は見晴も良く歩きやすい良い山でした。お子さん連れでも安心でしょうね。


そして。
4月14日、15日と発生した熊本の大地震で被災された方に心からお見舞い申し上げます。
15日の朝、準備しながらつけたTVでニュースを見てかなりショッキングで。。。そのせいで一度はハイクを取りやめようかと(気分的に)思ったのですが、関東にいる時分が勝手にしょげていても仕方ない、という事で気を取り直して向かってはみたものの、結果的には日帰りで降りてくる結果に。
それでも何かこの日はもしかしたら行かなくてよかったんじゃないか、とも思います。
いずれ今シーズン初テント泊はリベンジするとして、まずは1日でも熊本の皆さんに平穏な日が戻るよう、関東からも祈っております。