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最近念願のシェルターを購入した事で、改めて「シェルターって?」について個人的考察をまとめてみましたよ。
 
いわゆるUL(ウルトラライト)とは、同じベクトルを持ちながらもやや異なった流れをもつトレイルランニングからファストパッキングに至る流れの中で、特に日本で2年前にOMMが初開催されてから注目度が増えてきたように感じるのがこの「シェルター」と呼ばれるカテゴリかと思います。
一見すれば超軽量なシングルウォールのテント、と思われがちですが、テントとはそもそもの発祥が異なります。異なるのですがその見た目からして特に自立式のシェルターに関してはある意味では誤解されたまま市民権を得ているような気もしないでも無くない・・・、という事で、個人的にシェルターに関する考察をまとめてみました。
多分に主観も入り混じってますのでその辺はいつもながらという事で(^^;

比較対象:
モンベル U.L.ドームシェルター1
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ヘリテイジ クロスオーバードーム
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アライ ライズ1
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1)居住空間
 →ヘリテイジ クロスオーバードーム(W100cm×D210cm×H105cm)

ドームシェルター W90cm×D210cm×H95cm
ライズ1     W100cm×D200cm×H95cm

クロスオーバードームは今回挙げた3つの中で最もラグジュアリ―なスペック。
長辺が210cmあるのは冬季のシュラフ使用を考えると大きなアドバンテージですね。頭回りが広いのも圧迫感が少なくなるので快適でしょう。
一方、ドームシェルターは長辺こそ2016モデルから210cmに変更されていますが、代わりに短辺が100cm→90cmに。透湿性の無い生地を使用しているため幅もあった方が色々安心だったのですが・・・。
ライズ1はスペックは2015ドームシェルターと同等。


2)パッキングサイズ
→ヘリテイジ クロスオーバードーム(20cm×Φ10cm+フレーム41cm) 


ドームシェルター 25cm×Φ10cm
ライズ1     23cm×Φ14cm

ここでもクロスオーバードームが優秀な結果に。パッキングサイズが小さくなればその分余裕が出来るので、他の荷物に充てたりバックパックを少し小さくしてみたりと選択の幅が広がります。
実際、ドームシェルターのパッキングサイズを見ても相当コンパクトに思いましたけどねぇ・・・。ライズ1は縦が短い分、やや直径が大きい感じ。直径が10cmくらいだとパッキングの際に隙間にねじ込めるくらいなので結構楽です。が、ライズ1は生地がやや厚手なので仕方ないですかね。


3)重量
→クロスオーバードーム(700g)


ドームシェルター 740g
ライズ1     980g

クロスオーバードームとドームシェルターは本体+フレーム+スタッフバッグの重量。ライズ1は本体+フレームのみの重量です。いずれもガイラインやペグは含まず。
クロスオーバードームは本当優秀ですね。今のところ死角なし?

4)使用生地
・クロスオーバードーム 
本体/ボトム 15Dリップストップナイロン 透湿ポリウレタンコーティング
・ドームシェルター   
本体 15バリスティックエアライトリップストップナイロン/ボトム 30Dリップストップナイロン
・ライズ1       
本体 30D リップストップナイロンPUコーティング(エスフレッチャー)/ボトム 30Dナイロンタフタ

ドームシェルターは本体とボトムで生地を使い分けていて、重量と耐久性の面でバランスをとっている感じです。一方クロスオーバードームとライズ1は本体とボトムの生地厚は同じ。特にクロスオーバードームはボトムも15Dなのでかなり薄いです。使用の際にはフットプリントを何等か用意した方が安心でしょう。 
自分はドームシェルターでもフットプリントは使うつもり。ちなみに30Dのフロアは、今まで使っていたNEMOのMETA1Pと同じ厚さです。そう考えるだけでもちょっと気が楽に・・・。


5)透湿性能
→ライズ1 10,000g/屐24h(エスフレッチャー)

クロスオーバードーム 8,000g/屐24h
ドームシェルター 無し

ライズ1の使用しているエスフレッチャーはFinetrackのツエルト競蹈鵐暗でも使用されているものと同等の性能。必要十分という訳ではないですが透湿性の無い生地に比べれば結露の付き方はかなり軽減されます。
クロスオーバードームもスペック上ではエスフレッチャーより落ちますがほぼ同じと考えてよいでしょう。
一方ドームシェルターは生地自体に透湿性が無いので、代わりに常時オープンのベンチレーターが2か所あります。また、3つのシェルターで唯一出入口のパネルにメッシュパネルが(半分程度ですが)着いていて、より換気性能を上げたい場合はここで調節が可能。このメッシュパネルは夏季など虫の多い時期も活用できそうです。


6)ベンチレーター
→ドームシェルター2か所+前面パネル半面


クロス―オーバードーム 2か所
ライズ1 2か所

ドームシェルターは前述のとおり常時開放のベンチレーター2か所(メッシュ付き)に加えて、前面パネルの半分がメッシュになっていてここで換気を調整できます。
一方クロスオーバードームはベンチレーターは2か所ありますが標準ではメッシュは無し。ただしエスパース用のメッシュパネルが取り付け可能とのこと。虫が気になる人はこれを活用したいところです。
ライズ1は2か所あり、これはメッシュパネル付き。
とは言え、生地の透湿性に頼らない場合の換気性能ではドームシェルターが一歩リードですかね。特に夏場などで暑いとき、クロスオーバードームやライズ1は入口を開けっ放しにしていると虫は入り放題になるかも・・・・。
シェルターなのでそこはまあ、仕方ないと言えば仕方ないですが。


7)出入口
クロスオーバードーム 長辺
ドームシェルター 短辺
ライズ1 短辺


これは好みの問題もあると思いますが、出入りならクロスオーバードームが長辺なので楽ですね。
他2つは短辺ですが、ドームシェルターの出入口は高さが結構低い(70cmくらい)ので、潜り込むような感じです。
一方ライズ1は結構上の方までガバっと開くので比較的出入りは楽です。


8)その他特徴
・クロスオーバードーム
→出入口は垂直・水平の2つのジッパーで開閉。急いで出入りしたいときはちょっと面倒かも。

・ドームシェルター
→前述しましたが、やはり前面パネルに半分くらいの高さのメッシュパネルが着いていること。結構これは購入の動機になりました。やっぱり虫やらなんやら、イヤなので・・・。

・ライズ1
→ボトムがめくれて土間のようなスペースを作れること。
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↑こんな感じ(写真は同スペックのライズ1+)

また、入口向かって左側のボトムがジッパーで開閉できるので、緊急時の脱出やビレイ、本体を被って使用する際の出入口にも使えます。


さて、色々とスペックから比較をしてみましたが、こうしてみると言える事は

・最もシェルターとしての性格が強いのはライズ1。
・耐久性の面ならライズ1、軽量・コンパクト優先ならクロスオーバードーム、虫などをよけつつ高い換気性能が欲しいのであればドームシェルター。

あとはコストパフォーマンスですかね。これで言うと一番はやっぱりライズ1(29,000円+税)。
ドームシェルターやクロスオーバードームは、あと少し金額を足せばソロ用の一般的なテントが買えちゃいます。
なんなら、ステラリッジ1型ならドームシェルター+5,000円、クロスオーバードームならほぼ同じくらいの金額です。天候の変化が大きい山行を想定しているのであればやっぱりテントが良いと思います。
シェルターでそういった環境の変化に対応するのであれば、それなりの対策が必要ですし。(防水パックライナーを使う、シュラフカバーの活用など)
より実践的な幕営装備なので、個人としてはある程度経験を持った方向け、という事にしておきたいところです。