富士山と一緒に歩く、天子山地スルーハイク。
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2日目も快晴!
前日の夜、結構な疲労のためシュラフに潜り込んですぐに眠りについてしまいました。
が、暫くしてから、突然山頂の方から何かが走り下りてきて、テントの左横あたりで止まりました。
そして
「ブルルルッ・・・!」
と唸る声が聞こえたと思ったら
「キューンキューン・・・!」
と今度は鳴き始めました。その後テントの下の斜面にどうやら降りて行ったようですが、まだ近くで声が聞こえます。突然のことでしたが一気に目が覚めてしまいました。時々近くまで寄ってきて、その地面を歩く振動が背中に響いてくるようです。最初は鹿?と思いましたがどうも鹿にしては足音に重量感がありすぎます。
もしかして熊・・・?でも熊ってキューンって鳴く?もしかして小熊??
兎に角下手に動いて感づかれて、こちらに攻撃してきたら・・・と思うと怖くて寝返りもうてません。
時計を見ると時間は23時過ぎ。どうしようどうしよう・・と思っているうちに声も足音も聞こえなくなりました。
ホッとした隙に外をのぞいてみようかと思いましたが、結局眠気が勝ってしまい確認出来ず。
そのまま再び眠りについたのですが、その後も何度か同じような足音と鳴き声で目を覚まされました。
今思えばテントが攻撃されなくてよかった・・と思います。
後で近くに落ちていたフンや足跡を調べてみたら、どうやら声の主は「イノシシ」だったようです。
いや、熊や鹿よりもたちが悪かったかも・・・。無事でよかった・・!

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・・と、そんな一夜が明けて 4時過ぎ、夜明けとともに起床。
明るくなってから意を決して外に出てみたのですが、すでに獣の気配はありませんでした。
目の前の富士山は、前日まであれだけまとっていた雲もなくなり、東からゆっくりと昇ってくる太陽の光で徐々にそのシルエットがはっきりとしてきます。

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シュラフを畳んだり、荷物を片づけながらお湯を沸かし、朝ごはんは前回の小金沢山連嶺のときと同じくクスクス茶漬け。兎に角簡単で手っ取り早くていいです。
クスクスはご飯と違って、多少カップを放置していてもぬめりが固まって取れにくくなる、という事が無いので撤収も容易にしてくれます。2泊くらいまでなら我慢できそう。
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朝ごはんが食べ終わるころには太陽が昇ってきて、見事なご来光!
時期によってはここからも最高のダイヤモンド富士が見られそうですね。その時は相当混雑しそうですが・・・。

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パッキングが終わるころにはすっかり太陽も昇って辺りも明るくなりました。

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一晩過ごした場所をきれいに現状復帰。

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予定していた出発時間より少し早目、5時46分に幕営地を出発します。

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気持ちの良い尾根道を歩きます。
早朝のトレイルは空気が冷たくてとても気持ちが良いです。

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暫く歩くと「北アルプス展望台」なる岩場が。
なるほど?と登ってみると・・・・

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おお、見事な展望!
右端に見えてるのは甲斐駒、そこから北岳や間ノ岳に・・・って、これ、どう見ても南アルプスじゃ・・!?
北ア、見えてないと思うんですけどねえ・・・?

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八ヶ岳も今日ははっきりと見えてます!赤岳からもこの天子山地越しの富士山が見えてることでしょうね〜。

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5時55分、地蔵峠との分岐に到着。ここから先に進めば長者ヶ岳や天子ヶ岳などの天子山地の山々の縦走へと続くわけですが、今回はここからふもとっぱら方面へと進みます。

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毛無山はふもとっぱらの登山口から登ってくるルートがおそらく一般的だと思われるのですが、このルートがまあきついです。こんな感じのガレ場が多く、しかも斜度もそれなりにあります。気分的には奥多摩の六ツ石山から水根へ下る、あの斜面のような感じですね・・・。
浮石も多いので慎重に進みます。

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途中、富士山展望台という看板が。今度は見えるのが富士山じゃない、なんて事はないよね・・・?

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おお!ちょっとした岩の展望台からは麓から大きく広がる富士山をドーンと眺めることができます!
これは大迫力!

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しばしその眺望を満喫。

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展望台の右手方向には長者ヶ岳や天子ヶ岳の山並みが。いつかこっちまで一気に歩き通してみたいですね。

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結構下ってきましたが、まだまだ岩がゴロゴロしてます。急斜面を下ってきたので早くも足に疲労が出てきていて、気を付けないとずるっと滑りそうになります。

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ガレ場を下ることさらに30分ほど、突然開けた場所に出ました。
この場所、遭難した時にヘリが救助できるように開けられたレスキュー用の空き地なのです。

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上の方はヘリからレスキュー隊員が下降出来るように木が開かれてます。
広場になっていてここならちょっとしたビバークも可能でしょう。上からも目立つし、何かあれば活用すべきポイントです。

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6時46分、不動の滝の見晴台に到着。
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ここで小休止。
さすがに標高もだいぶ降りてきて暑くなってきました。もう汗ダクダクです。お風呂入りたい・・・!
いや、その前に道の駅についたらソフトクリーム食べたい!なんて事をモチベーションにしてさらに下ります。

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7時6分、毛無山登山口を通過して林道へと降りてきました!
今回はここから「道の駅朝霧高原」を目指します。ここのバス停から8時27分に本栖湖入り口を通るバスがあり、これを逃すと次は9時57分、さらにこれを逃してしまうと次は午後1時57分と、本数はかなり少ないです。
しかしこの日、6月15日は日本代表のW杯初戦が10時から始まります。
自宅で観るのは無理でも何とか車には辿り着きたい・・・!
という事で、8時27分のバスを目指して林道を急ぎ足で進みます。

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麓方面への抜け道を通り・・・

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こんなものが飾られてる脇を通り・・・

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麓宮。
無事の帰宅と、日本代表の勝利を祈願!

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あとはひたすら歩く歩く!

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民家の並ぶ林道を抜け、

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やがで道は牧草地帯を抜けていきます。

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途中、歩いてきた雨ヶ岳〜毛無山の稜線が良く見えます。右手のずっと先にはスタート地点の竜ヶ岳も。
それにしても雲一つない空!山を見ながら、普通の道路を歩いているだけでも気持ちが良いですね〜。

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8時00分、かなり余裕をもって道の駅朝霧高原に到着!
バスの時間まで結構余裕があるので、トイレで顔を洗ったりして、さてソフトクリーム食べよう!とお店で食券を買おうとしたときでした。

ソフトクリームは350円、小銭が330円。
あ、足りない、しょうがないお札崩すか・・と、お札入れのところを開いたとき、わが目を疑いました。

なんと、お札が入ってない!!!

えええええええ。
何度もサイフを見返して、サコッシュの中に落ちてる?と思って探してもお札はない・・・。
どうやら、山用のサイフに普段使っているサイフからお札だけ入れ替えてくるのを忘れたようで・・・。

つまり、この時の手持ち金、なんと337円!
ソフトクリームどころかバスも乗れないんじゃ・・・!

とは言え、バスに乗れないとなるとおそらく2時間近くは本栖湖まで歩かないとなりません。
一旦バス停まで向かい、運転手さんに乗れるところまで乗せてもらうよう交渉してみるか・・・。
もしダメだったら、まさかのヒッチハイク??いやあ・・・。

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半ば途方に暮れた感じでバスを待ちます。
そしてバスは予定より1分遅れて8時28分にやってきました。
バスの運転手さんに手持ちが330円しかないのだけど、どこまで乗れますか?と聞いたところすぐには分からないから取りあえず乗ってくれ、と言われて、それに従います。
初乗りは170円、次は190円、その次は230円。そして4つ目のバス停が下車する「本栖入口」。この値上がり具合なら何とか330円で行けるかも・・・と思った矢先でした。
3つ目のバス停を通過して、本栖入口までの料金が表示されたのを見たら・・・

なんと430円!!
一気に100円上がったwwwえええええええ。
うそでしょwww

どうやら3つ目のバス停から本栖入口までは距離が長いようで・・・。
いやまいりましたな。これはどうしよう・・・と、ふとサイフにPASMOが入っているのを思い出しました。
そうだ、これにチャージがちょっとだけ残っていたはず・・!

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という事で、PASMOのチャージを加えて精算してもらい、結果としては無事に本栖入口までバスで来れました。
いや、ホント焦った・・・!
てっきりお金ちゃんとあると思い込んでいたので、チャージもギリギリ(178円w)しか入ってませんでした。
反省、今後はちゃんと出発前にお札入れたか、そして念のためのチャージも忘れないようにしよう・・・。

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こうしてちょっとした?ハプニングはあったものの無事に本栖湖について、あとは駐車場までてくてくと歩き・・・

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8時49分、再び竜ヶ岳の見える駐車場に帰ってきました!


今回のハイク、小金沢山連嶺のハイクとはある意味真逆で、結構アップダウンも大きく「ガッツリ縦走感」を味わえるルート、といったところでしょうかね。
特に雨ヶ岳への登り返しは本当にきつかった・・・。スタートが遅かったので毛無山までにしましたが、あと2時間早かったらその先の長者ヶ岳方面へと向かってしまっていたかも。ある意味今回くらいでちょうど良かったかも知れません。公共機関を使う場合、距離的には毛無山までは行けるのですが下山後のバスの時間が相当厳しいので、やはり車を使って早目に出発する、自転車をデポする・・・などの工夫が必要でしょう。自分はビバークという選択肢を取りましたが、必ずしも良い手段ではない(水場が無い、獣も多い)ので、縦走する場合には十分な下調べが必要です。

そして、竜ヶ岳、雨ヶ岳、毛無山はどれも単体で見ればとても登りやすく、いずれも富士山の展望はばっちりです。特に竜ヶ岳はやっぱりあの山頂の開放感と、富士山を真正面に見ることが出来る贅沢さは特筆もの。数ある富士山展望の山の中でもおそらくトップクラスでしょう。多くの登山者に愛される山であるのもうなずけます。


今回のルート上では途中水場が無いのでしっかりと必要分確保しておかなければなりませんが、今回のハイクで使ったPAC-Sでも1泊2日程度なら十分対応できることが分かりました。
ちなみに今回持参した水は

2.3L+400ml+400ml+570ml+600ml=4,270ml

これだけあれば、食糧計画をちゃんとしていれば2日間のハイクは行けそうですね。
実際水自体は約800mlほど余りました。
これからの時期、もっと暑くなると給水も増えるとは思いますが、水場の無いトレイルをオーバーナイトで歩く場合の、1つの参考にはなりそうです。


◆登山データ
【1日目】
駐車場出発(8:47)→登山口(09:01)→最初のベンチ(09:26)→石仏ルート合流点(09:53)→竜ヶ岳山頂(10:05)→休憩→竜ヶ岳発(10:22)→端足峠(10:41)→雨ヶ岳山頂(11:52)→休憩→雨ヶ岳発(12:09)→タカデッキ(12:53)→大見岳(13:47)→毛無山(13:58)→幕営地

【2日目】
幕営地発(05:46)→北アルプス展望台(05:53)→地蔵峠分岐(05:55)→富士山展望台(05:58)→毛無山5合目(06:24)→レスキューポイント(06:29)→不動の滝(06:44)→毛無山登山口(07:03)→道の駅朝霧高原(08:00)→バス→本栖湖駐車場着(08:49)