山の安全は、みんなの願い。
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今も昔も。

ガスガスの甲斐駒ケ岳山頂をあとにして、七丈小屋を目指して下山している途中のことでした。
とある岩場の斜面で左足の先を岩にひっかけてバランスを崩し、ハイマツの中に手を着いて倒れこみました。
幸いハイマツ帯のところだったので大事には至りませんでしたが、もしここが崖だったら転落・・・というシーンです。
決して油断をしていたわけでもありませんが、やはりちょっとした油断から大きな事故に繋がるという事を改めて考えさせられました。
そのあと、差し掛かった岩場の鎖についてたのが冒頭の写真です。
登りの時も目にはしていたのですが、そんなことがあったからか下りの際に読んだ時は少し反省。
そう、まだ自分は何も成し遂げたわけではない。ちゃんと無事に下山して、家に帰って初めて「ああ、良い山だった」と思わないと。今までなんども山に登って、山頂を踏むたびに思っていたことですが、この日なんだか改めて強くそう思いました。

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ご来迎場を通過し・・・

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7時20分、七丈小屋に到着。既に幾つかのテントはいなくなっていて、さらに他のハイカーも撤収中でした。

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とは言ってもこちらはハラペコ。早速コーヒーを沸かして朝ごはん(この日もマルタイ棒ラーメンでした・・・)。

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七丈小屋、生憎の天気で展望はあまり楽しめなかったけど、また晴れた時に来てみたいです。
きっとすばらしい光景なんだろうなあ。
なんて思っていたらちょっと面白い光景が。

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少しガスが晴れて、目の前に雲海が見えます。手前の二コブの山は宮ノ頭(2,165m)、この山に・・・
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分かりますかね?谷から上がってきた霧が山肌にぶつかって、上昇気流と共に雲に吸い込まれているんです。
その光景はまるで龍が天に昇るかの如く。昔の人はこういった光景を見て、龍とか空想上の生き物になぞらえたのかもしれませんね。

さて、そんなこんなでまったりとしていたら良い時間になってしまいました。
慌てて荷物をパッキングし、撤収完了。
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気がつけば自分がテント場では最後のハイカーでした。
まあ、一番長くテント場を満喫できたって事でいいかな・・・?

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トイレと、セイシェルに南アルプスの天然水をたっぷりと補充したら、七丈小屋ともお別れ。また秋くらいに寒くなる前に、登りに来ようかな。
それまでサヨナラだ。9時06分、下山開始。

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すぐに例の岩場やハシゴが登場。
やっぱり下りの方がおっかなさ倍増です。とにかく慎重に三点確保で下ります。

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9時24分、五合目小屋跡通過。あれだけ苦労した屏風岩のところを20分ちょっとでクリア。そんなに短かったっけ??

さて、ここからが行きも楽しかった”苔セクション”。
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のっけからこの雰囲気。たまりません!

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前日の雨を吸って、さらに色濃くなった苔の森を歩きます。時折差し込む光に森が踊っているかのよう。
とても歩いてて楽しい!
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行きに見かけたこの木。
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ちょっと遊んでみたけど、思ったより普通の写真になってしまった・・・。

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気持ちの良い苔トレイル。ずっと歩いていたくなります。

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苔にウキウキしながら歩いていたらあっと言う間に刀利天狗に到着。
無事に甲斐駒ケ岳に登頂出来た報告と、残りの下山の無事を祈ります。

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そしてやってきました、下山の刃渡り。
幸い雨の影響は残っておらず、ドライな状態で歩けました。

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記念に刃渡りの上で。

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さらに下り。笹ノ平を越えて・・・
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横手・白須分岐。ここで小休止。かなり良いペースでここまで下山できてます。
基本的にトレイルが柔らかくて歩き易く、足へのダメージも少ないのでハイペースを維持しやすいですね。

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徐々に樹林が濃くなってきて、例の奥多摩・奥秩父っぽい馴染みのあるトレイルに変わってくると・・・

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標高は800mを切って、もうすぐこの長かった黒戸尾根も終わり。なんだろう、三大急登なんて名前が付いてるから、登る前は1度登ったらもう二度と来なくてもいいって思うんだろうな〜、と想像していたんだけど、意外にも今は「今度はいつ来よう?是非仲間も誘ってみんなで歩きたい」なんて思っています。
長くて、確かに途中何度も立ち止まっては息を整えて、キツいなーと思いながら足を前に運んで。それでもこんなに名残惜しく感じるトレイルだとは、本当に想像もしていませんでした。

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11時13分、尾白川渓谷との分岐に到着。
ここまで来ると普通の観光客もあちこちにいます。あれだけキツい尾根を降りてきた自分がなんだか異質なものに感じる・・・。

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吊橋!近くにいた観光客の方に撮っていただきました。

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そしてその吊橋からみた尾白川!ああ、今すぐダイブしたい!という衝動に駆られますがぐっとガマン。

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竹宇駒ヶ岳神社に無事下山の報告。感謝の気持ちにお賽銭もちょっとだけ。

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11時28分、駐車場に到着!
山頂で出来なかったので、無事下山のポーズ!

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下山後はペロさんが前の週に鳳凰三山の帰りに立ち寄っていたゆーとぴあ韮崎へ。施設も綺麗でとても気持ちよかったですよ。(入浴料は700円)

こうして、日本三大急登に挑んだ二日間は無事に終了。
生憎の天候で、山頂やテント場からの展望は決して良いといえるものではなかったけど、今回はこの「黒戸尾根ルート」を歩ききることが大きな目標。そして、これをクリアできたことは本当に自分にとっても大きな自信になりました。
黒戸尾根は、水、樹林帯、苔、岩場、鎖場、階段・ハシゴ、そして稜線。山の良さがぎゅっと詰まった魅力的なルートです。
初心者の人にいきなりは勧めませんが、いつかみんなに歩いてみて欲しい、そして自分もこの先また歩きに来たい、そう思わせる何かがある不思議な山です。
そう言えば「日本百名山」で甲斐駒ケ岳の回をやっていた時、山岳ガイドの花谷泰広さんが「登山の魅力が詰まったルート」って言ってましたけど、まさにその通りでしたね。
今度は青空の下で!その魅力をまた満喫しに来たいと思います。

◆登山データ
○1日目
竹宇駒ヶ岳神社駐車場出発(6:43)→尾白川分岐(6:54)→笹ノ平(8:16)→横手・白須分岐(8:18)→休憩→出発(8:27)→刃渡り(9:38)→刀利天狗(10:01)→五合目小屋跡(10:44)→七丈小屋(11:30)→泊

○2日目
起床(4:00)→七丈小屋発(5:06)→→八合目御来迎場(5:35)→駒ヶ岳神社奥社(6:28)→甲斐駒ケ岳山頂(6:32)→山頂発(6:36)→御来迎場(7:04)→七丈小屋着(7:20)→撤収→七丈小屋発(9:06)→五合目小屋跡(9:24)→刀利天狗(9:54)→刃渡り(10:03)→横手・白須分岐(10:38)→尾白川分岐(11:13)→駐車場着(11:28)