標高3,200mの山小屋の時間はゆっくりと流れる。
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実は今回は俺は人生2回目、嫁さんは初の山小屋泊。特に俺に至っては小学生のころ丹沢の山小屋で泊まって以来なので、かれこれ20年以上ぶり。
当時のあの畳1畳に3人くらいで、10畳くらいの広さの寝室にびっしりと人が寝ている・・・という山小屋。
その記憶があったためすっかり山小屋嫌いになっていた俺。
今回の山開きのタイミングを狙った富士山登山も、そういった山小屋の混雑はイヤだったからだ。なにせ富士山の山小屋と言えば誰に聞いてもヒドイ話ばかり。自分もだけど何より初山小屋泊の嫁さんにここで悪い印象を持たれると今後の山行にも影響が出る恐れがある(笑)。
それでも多少なりの不安はあったのだが、この日の見晴館の宿泊客は全部で17名ほど。70名以上泊まれるキャパシティを持つ山小屋からすれば贅沢すぎるくらいの空き具合なのだ。

そしてもう一つの不安は山小屋のクオリティ。
コレもまた子供の頃のあの山小屋の印象があったため、暗く古くて足元の板はきしんでしまい、何かお化け屋敷のようなイメージがあった(今思い返してみても子供の頃の山小屋のイメージって灰色なんだよね)。
しかし。
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これは昼間に映した見晴館本館の中。
2段の蚕棚になった客室は比較的明るく、かつ木の香りがまだ残るかのような綺麗さ。
そして残念ながら写真が無いのだが、自分達が泊まるところはこの本館よりも新しい別館。
造りはほぼ同じだが、上の写真よりさらに30%増しくらいで綺麗。
これは嬉しい誤算だった。
いつも山で泊まるといえばテント泊だけど、こんな感じなら小屋泊も捨てたモンではないね。
ただし富士山に限って言えば、この時期だからこそ、これだけの余裕があるという事はもちろん忘れてはならない。
さて、そんなこんなで時間は17時30分、夕食タイム。
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メニューはもちろんカレー。
それでもご飯はオカワリOK。標高3,200mで食べると思えばこれもご馳走。
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そして、この日6月30日に宿泊した登山客は、この見晴館2012シーズンの最初のお客。ということで、普段は出されないお味噌汁を振舞ってくれた。
水の貴重な富士山において、お客さん分のお味噌汁をサービスしてくれるのはオーナーの心意気の他何物のでもない。少し冷えてきた体に染み入る味に感謝しつつ、ご飯をオカワリして夕食を済ませる。

その後本館でしばらく他の登山客と談話をして過ごす。
そしてテレビの天気予報を見ていると、どうやら明日は天気が下り坂のようだ。
どうやらもしかすると朝雨がぱらつき、遅くともお昼前には本降りになる予報。
これを聞いた登山客たちは明日の計画について相談を始める。こうなるとご来光はもはや絶望的か。
それでも夜中早くに山頂へ上がり、一縷の望みにかけようとする登山客も。
俺らは昼間決めたとおり、見晴館でご来光を見てから山頂を目指すプランは変えない。
もちろん、見晴館でもご来光は見えない可能性はあるが、こればかりはもはやその時になってみないと分からない。
さらに言えば、天候が悪くなる状況下で、深夜登山は危険だと判断。
せっかく快適に寝られることだし、山小屋でゆっくり体を休めた方がいいだろうという事になった。
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外に出てみると、山頂はまだ見えるものの空一面が雲に覆われている。
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西の空には月も見えているが、このあとすぐに雲の中に吸い込まれていってしまった。

そしてここでもう一つ問題が。
これまでなんとも無かった俺がついに高山病に。。。
ガマン出来ないほどではないものの、時折強い頭痛が襲う。
こうなるともう対処できることは限られてくる。
水分を多めに取り、外にでては深呼吸を繰り返す。
それでももうあまり症状が改善されないので、諦めて寝ることにした。
この時、市販の酸素タブレットを10粒ほど飲んでみた。これが効いてくれれば良いのだが。
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6月30日19時22分。
天気、ご来光、そして俺の体調と3つの不安を抱えつつ、初日は終了。
明日は朝3時30分起床予定だ。