先日沼津アルプスを歩いている時に見かけたこの看板↓
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看板には「大トカゲ場」と書いてある。山言葉で「トカゲを決める」というものがあり、これは「大休止」という意味だそうで。つまり、トカゲが石の上で日向ぼっこをするようにのんびり休憩する、という事を指すらしい。
山言葉ではこういった、特定の行動を他の何かに例えて表現する言葉がいくつも存在している。有名なところでは「雉撃ち」は男性の用足し、「お花摘み」はその女性版。
山を良く歩くようになって、あまり使わないもののこういった言葉を見聞きする機会が増えたと思う。
沼津アルプスでも同行した池さんと「こんな山言葉の特集とかあっても面白いかもしれないっすね」なんて話をしていたのだが、個人的にちょっと気になったので調べてみることに。

まず、「山言葉」をGoogle先生に聞いてみると、出てくるのはマタギの記事とか。
どうやら「山言葉」というと一般的には「マタギ言葉」の事を指すようだ。マタギとは東北・北海道地方等で古くから伝わる方法を用いて狩猟を行う人達のこ と。マタギは独特の風俗を持っているようで、山に入ると日常的に使う言葉の使用は禁じられ、山言葉(マタギ言葉)と言われる特殊な言葉を使っていたらし い。広義の意味では猟師の使う忌言葉も含まれるようで、部外者には秘密にされていた。例えば熊の事を「いたず(くろげ)」、焚火をすることを「えぎしこた てる」とか。これは地方によっても言い方は異なるようで、さらっと調べたくらいではその全容は分からない。

自分らが通常使う「山言葉」というと前述の雉撃ちとかお花摘みとかって言葉が思い浮かぶのだけど、どうやらこれらは「登山(山岳)用語」に部類されるみたいで、まずは「山言葉=登山用語」という認識から改めなければならなさそうだ。

で、その登山用語だけど調べてみると結構なサイトで色々と書かれているが、大体内容や意味は同じ。その細かい内容は書かないけど、例えば前述の「トカゲを決める」だが、大休止の他にテントの外に出て食事をする、なんてことも意味として含まれるらしい。
その他にもマタギ言葉が用いられている「熊の寝がえり」。これは雪崩の事を指している。マタギ言葉では「雪崩」という単語が禁句だったためこのような代替表現になったようだ。
沼アで上記の看板を見たときに出た話で「一本立てる」と言うのも歩荷が休憩する時に荷物の下に杖を当てがって荷物を浮かしてそのまま立ち休みした事で、この場合はトカゲの反対で小休止を指す。

今ではほとんど使われていないであろうものから、反対に知っておくべき言葉まで様々。カモシカ山行なんてきっと今は使わないよねえ・・今なら「ナイトハイク」とか「オーバーナイトトレッキング」とかになるのだろうか?
それでも今まで何気なく使っていた用語も、あ、これはこうだったんだ、とか新しい発見があって面白い。
※ちなみにいつも迷ってたのが「山座同定」。「さんざどうてい」って読むんだけど、最初は「やまざ」なのか、「どうてい」ってもしかして山特有の別の読み方があるんじゃないかって変に勘ぐってたっけ。

いずれにしても、山言葉にせよ登山用語にせよ、その言葉言葉には風土を反映したものが多いのも事実。
山言葉と登山用語の関連や、言葉から紐づくその土地の山岳文化とかを調べてみるのも、ちょっと面白そうだ。